中国宁海亚洲山地户外运动挑战赛/ Asia Mountain Outdoor Quest その1

レース当日。

朝は05:45起床。
しかし同じ部屋のケイちゃんと佐藤さんはだいぶ前に起きていた模様。
今回のレースは過去に横山さんともチームを組んでいた経験のあるサムライスピリッツの佐藤さんも一緒に来てくれた。佐藤さんは今では数あるアドベンチャーやトレランの撮影をしているカメラマン。
佐藤さんを通じて話があって、参加したという経緯があった。

06:30に朝食。さっさと済ませ、07:50にバスに乗り込む。そのまま出発地へ。そこはセレモニー会場のど真ん中だった。

市民ホールのようなところの前の広場がその会場となっていて、さまざまな演舞が繰り広げられていた、人だかりも凄い。周囲の道路は封鎖。そこにバスが到着して我々が降りていく。

既にMTBはセットされており、荷物も到着していた。待っている間に中国メディアの取材を受ける。そのときの模様はこんな感じ

結構待たされて、その後入場行進。先頭ではいる。
壇上では国の偉いような人が話してる。回りの人も増え、凄い盛り上がり。

セレモニー終了後、自転車を用意して09:20頃にスタート。いきなり封鎖された道路をひたすら突き進むのだが、中国のチームは異様に速い!
最初から全速力と思われるようなスピードでみんなすとばし、ある種われわれは唖然、一気に置いてかれた。

まあ先は長いしね、とおもってたら、スタート直後に即マシントラブルで止まってるチームもチラホラ。まだ市内の中心部なのに。中にはパトカーにぶつけられてリタイアしちゃったチームもいたらしい。
そんなこんなで数チーム抜いていく。4人で先頭を変わりながらエネルギーを出し過ぎないようにしながらも前へ進む。

途中からトレイルへ入って、k4さんのMTBに異変が。なんとスタート直後に後ろのディレーラーをぶつけられた影響で、一番内側にギアを入れるとチェーンがはずれてしまう。調整のねじで何とか調整を試みるも、根元の部分が曲がってしまってるので限界がある。20分近く色々と調整するが、結局完全には直らず、応急処置で前に進む。チームのエースのマシンがトラブルとは、幸先悪いが、まだまだ。先は長い。


途中里に下りて、また向こうの山に入るシーン。
場面は映画で見るような中国の地方都市と農村風景が入り混じる。そこをある種、異星人のような格好をした4人がMTBで駆け抜ける。路上には鶏がコーッコッコッコーといいながら走り回っている。道路端にはおばあちゃんが小さな子を抱えて不思議そうにこちら眺めてる。
ケイちゃんが笑顔で声をかけると、向こうも笑顔で「加油!」と応援してくれる。
うーん、これこそtruely asia(はマレーシアの観光CMだけど)のCMに出てきそうな光景。

MTBだけでも35km。凄まじく長かった。途中からはk4さんがKayちゃんを牽引し、hidepiが後ろから押す。レース前に危惧していたことだけど、このスピードにMTB登りの終盤、追いつかなくなってくる。初日のレースもまだ前半とはいえ、ここで遅れるわけにはいかないと、あとから思えばここで相当無理に力を出しすぎた。それでも最後の100mアップくらいは付いていけず、ヒデピのザックにつかまって進む。そしてなんとか登りきる。2チームくらい抜いた。

今回のレースは標高もmaxで700m位だったのを、かなりなめていた。距離が異様に長く感じる。

その後15分の強制停止。ここでランの準備に着替えるが、足がだいぶきてしまってた。使いすぎ。マッサージの人に軽くもんでもらう。
MTBはメカトラブルもあったけど、想定の範囲内の時間で何とか通過。関門は13:50だけど、多分12:40位に到着したか?

ランは下って、登って、下る。少なくとも高低差が記された図を見る限りでは、そんな感じだった。最初はとにかく下る。しかしここで、今回のレース最大のアクシデント。

足を思いっきり、攣ってしまった!!
まだ半分もいってないのに、ありえない。確実にMTBで飛ばしすぎ、その後休んで、また急に動き出したせいか。とにかくつりながら走るが、なかなか直らないので、いったん止まってもらう。そうすると、一気にあらゆる筋肉が同時多発的に攣る。しかも両足!
こうなるとどうにもならない。結局ここでも10分くらい、ひたすら足をのばしてもらう・・・。情けない。明らかに練習不足。補給は前のエクストリームでの攣りの教訓でしっかり取っていたはず。

結局一回こうなってしまうと、もう足が思うように動かずチームのスピードを上げられない。挙句の果てに荷物ももてなくなってくる。下りきったあとにまた上り始める。この登りに終りが全然見えない。
途中から牛が放牧されてたり、まさにガスってなかったらキルギス旅行のときの風景に近いところなのだけど()、そんな余裕も全然ない。
肉体的にも、精神的にも久しぶりにとことん落ちた。逆にいえば、個々までの状態になる機会が最近少なすぎたのが、こうなってしまった原因なのかも。とにかく辛かった。

何とか登りきったような場所からくだりに入る。後は下るだけと思うが、10kmを45分でいかないと制限時間をクリアできない。でもK4さんをはじめみんなあきらめない。自分もあきらめたくは無いので前にすすむ。しかし悲しいかな、足も動かないし呼吸も苦しい。下るだけなのに全然スピードが出ず、このときばかりは本当に情けなくてしょうがなかった。
スイーパーの人が後ろからやってくる。こちらがスピードを落とすと落とし、あげると付いてくる。hidepiはフォローで自分につきつつ、前の二人はチームのスピードを上げてくれる。

しかし途中で完全に力尽きた。全然体が前に動かない。
非常に申し訳なくも思いながら、そんなこと言ってもしょうがないし誰も求めてなく、また暗くなるだけなので、淡々と前へ。

この下りがまた全然終わらない。

このとき一つ学んだことがある。
あまりにも自分が、事前に与えられた高低差が記された地図を頼りにしすぎていたこと。結局下るだけかと思ったら、何度も登りかえしがあったり、標高も全然下がらないし、ラン区間は20kmとあるけど本当に20kmなのか怪しいし。ただ、地図を頼りにしすぎてるから、想定外の出来事が起きるとダメージが大きい。下りだけかと思ったのにそうじゃなかったり。

佐藤さんにスタート前にいわれたことの一つに「現場対応力」があった。海外のレースは情報が少なかったり、あいまいだったりするケースが(日本人の感覚からすると)多いけど、そこに文句を言うというより、その局面でどう動くかの対応力がキーになると。自分には残念ながらその能力がとても欠けていた。だから、いちいち小さな落胆に、もしかしたら必要以上に打ちのめされ、遅くなっていったのかもしれない。

とにかくロードに出てからは、約3kmを雨のなか走る。
この辺り、もう記憶の中には断片的な光景しか残ってない、そんな状況だった。

なかなか終りの見えないロード区間
唯一覚えてるのは、サイレン回して走ってるパトカーがわざわざ減速して、スピーカーにして「チャーヨー(加油=がんばれ!)」と言った事!!これは確実に日本じゃありえない。ていうか、思わず笑ってしまった。普通パトロール中のパトカーが、わざわざ減速して怪しい活動してる人たちに言うか!?そんなところにも、中国の温かさを感じつつ。

最後はシーカヤック
既に制限時間は過ぎていたが、そこからゴールまで途中のCPを飛ばして向うことに。風は若干出ていたけど、ヒデピと二人でえんやこらと漕ぐ。このスキルが全然無くて(詳しくは翌日・・・)、大変苦労した。いずれにせよ、何とかやり遂げて、ゴールへ。
18:00過ぎくらいでした。


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結局初日は2チームがリタイアしたので、13位。
トップチームとは4時間差だけど、3時間はペナルティなので、そんな凄まじい差が開いていたわけではなかった模様。

バスはすべてのチームをのせて戻るため、最後のチーム(完全完走してたチームの方が我々より後にゴール)を待って、宿に戻る。
バスの中では、台湾チームのコーチが選手に激を飛ばしていた。


宿にもどり、ジャージ類を軽く洗ったり、自転車を整備したり、急いで食事も食べ、寝る。

今夜はシャワーのお湯が少し出た。
寒かったので、これは救い。

部屋は完全に合宿所状態。