ARJS2009 第4戦 南信州大会 その2

ステージ4のキャニオニングの前に、懸垂下降でその沢へ降りる。
ここは80mの橋げたの上から、垂直で降りなければいけない。ちなみに、足の付かない状態での垂直下降は初体験。この準備不足が結果的に大変な自体を引き起こす。

横一列に3人が並び、互いにスリングで結び付けあって、一緒に降りていくのだが、自分が足を話した途端、頭が下に。最初は平行くらいの状態だったが、ドンドンおちていき、しまいには逆さづり状態に。そんなに焦りは無かったけど、何とか体勢を立て直そうとするも全然うまくいかない。橋げたの上からも指示を受け、仲間からも色々と言われるがよく分からず、そのうち力だけがドンドン抜けていて、手の握力も厳しくなる。

下でビレイをとってる人もいるし、他のメンバーとも繋がってるので大丈夫という意識はあったので、怖い感覚はやってる最中は無かった。ただ、とにかく体がつらいので、「このままでいいので早くおろしてくださいー」といって、降りていく。結局自分で速度がコントロールできないので、真ん中のスミさんを引っ張っていく。スミさんに「ちょっとまってー」とか言われるも、「どうにもなりませーん」と応えるしかない。40m位降りた辺りでふと足を見ると痙攣してるし。手の力もいよいよ全く入らなくなってくる。最後の20m位はほぼ何も握らず、運命はスミさんと繋がったビレイのみ。体も全く動かせないので途中でなぜかタケプーさんと激突するわで大変だった。最後はスタッフの人に、重量挙げの重量のように受け止められ、下におろされた。あとで聞いたところ、スミさんは降りていく状況が面白すぎて笑いすぎて腹筋が痛かったらしい。自分は何とか体を維持しようとして腹筋が痛かった。。。

30秒くらい動けず、でもタケプーさんの「いくよー」という声に無意識に反応して体を動かす。そこから指示板にしたがって斜面を登って、少し走って、また沢に降りる。この辺りで両足の太ももが完全につっていることに気付く。でも止まるわけにもいかないし、後ろのチームは即効懸垂下降降りてきたのも見えて、とにかく前に進みながら、時折足を伸ばしてごまかしながら進む。

このとき、ウェットを2枚重ねしていた。水温が冷たいというのも有り、主催者側のアドバイスにしたがっていたのだが、とにかく暑く、多くの選手はこのセクションは1枚だったらしい。タケプーさんもスミさんも1枚で、自分はとにかく動きにくかったので1枚にしておけばよかったとかおもったり。ただ、今から思えば、逆に2枚重ねで圧迫されてたからこそ、つりながらも前に進めたのかもとも思う。太ももの前だけじゃなくて3箇所くらいの筋肉が同時に違和感あったし、明らかにおかしな状況だったけど。
でも、攣ってるとかいってる場合じゃないしなー、とか思いながら、案外歩けるもんなんだなと冷静に考えたりしながら、とにかく前の背中を追いかける。あまり冷静に、痛いから動けないとか考える余裕もなかったのかもしれない。


しばらくすると、なぜか後ろからEast Windが凄い勢いで追ってくる。
えっ!?、ていうか先に懸垂下降してたじゃんとか思いながら、とにかくCP16へ。ギリギリうちらが先について、ここでも懸垂下降とロープにハーネスをかけて滑り落ちていく。ここは一気に1チームしかできないので、ここでギリギリ先に入ったのはよかった。後で聞いたところによると、沢に降りる指示板に気付かず下まで降りてしまったらしい。今回East Windはあまり成績が振るわなかったが、こうしたちょっとしたミスを幾つか繰り返してしまったらしい。今回のようなスプリントレースだと、ちょっとのミスが明暗を分ける。

結局そのまま下まで降りていき、CP17へは2位で到着。懸垂下降の橋げたにいたキミコングがいて、さすがに謝罪。あとはステージ5、川をハイドロスピードボートに乗って下っていくのみ。
メッシュバックを片付け忘れたり、コントロールカードを置き忘れたり、けっこうロスをした気もするが、後続もなかなか来なかった。この時点でEast Windは先へ。

この最後のリバースイム。文字通り、天竜川をウェットスーツ着て泳ぐのだが、本当に気持ちよかった。この季節で寒いと思ってたのだが、それ以上に体温が上がっていたので体が気持ちよくクールダウンされ、全く問題なし。ライン下りの船からは、怪しい目で眺められながらも、とにかく最後まで3人で一緒になって押したり引いたりしながら進む。まさにチームワークのアドベンチャー

前に追いつくわけでもなく、後ろから追いつかれるわけでもなく、そのまま下ってCP18へ。
あとはボートを担いで、1.5kmほどランでゴール。タイムは13:20。スタートが6:30だったので7時間弱で、ゴールタイムは3位。

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ゴール後は温泉に入ったり片付けをしたり、ゴールチームを出迎えたり、お土産買ったりして過ごし、17:45から表彰式へ。
East Windがオリエンで全ポイントを取った分、6分オーバーしてペナルティーでマイナス45分というのを聞いていたのと、後ろのチームとのタイム差とも考えて、3位以内はいけたかなと思いつつ、オリエン次第ではもしかしたら・・・とも思いつつ、結果を待つと・・・・。


なんと、優勝してしまった。


アドベンチャーレースで優勝したのは初めて(というか、こういうレース系で優勝自体初めて)。本当にびっくりしたが、結果的にオリエンのスコアが明暗を分けたようだった。


今回のレースはなかなかの強豪ぞろいだったし、まさか優勝するとは全く思ってもいなかったが、結果的にミスが少なかったのとオリエンで確実に取れた、あとはラフトで助かった、そんな諸々がうまく組みあわさったおかげかもしれない。正直、自分は昨年同様、特別に何かで貢献できた点が無いのだが、それでもチームとして優勝できたことはうれしかった。特に赤い水玉では毎回色々と二人から勉強させてもらってるので、今回もたくさん学ぶことができたし、本当にありがたい。


photo by Kay

ちなみに、2位はハッピーフィルシャコ、3位は後半でかなり追い上げたクロマニ。K4さんの執念がまた凄かったなー。


またこの大会では、それ以外でもさまざまな特別賞が用意されていて、面白かった。ジャパさん率いる北の里からはアホで賞をもらってました。アドベンチャーのこの表彰式の雰囲気がまたいい。選手もある意味運営者の一部で、一緒になって盛り上げ、勝ち負け無しにみんな満足して帰っていける遊び、というのが何より最高。別れを惜しんでか、話に花が咲いてか、なかなか帰らなかったり。

レース途中では、地元の方が自主的にエイドを出してくれてたり、消防隊の方も自主的に見に来てくれてたり、地域全体で受け止めてくれてる感じもして、ほんとにまた来たい大会だった。
何より若返りの温泉もあるし、食べ物もおいしいし(飯田市のりんごは最高に美味い!!)、さらに川も山もある豊かな自然。そして温かい人たち。

来年は6月の予定らしいので、是非ともまた参加したい。