20090821

今日は一件仕事の予定があるのみなので、一日フルに使って初のロンドンの行っておきたいところを周ることにする。
ホテルの朝食のまずさにまず驚きながら(ドイツのホテルが良すぎたのもあると思うが、単にパンをトーストするだけなのにどうしてこんな焦げるのか、理解できない)、10時までに出発。まずはイーストロンドン方面へ徒歩で向かい、whitecubeへ。大きな通りのひとつ裏に入ったところで、住所を頼りに見つけだす。
仕事でやり取りをしたり、雑誌や本で知ったこのギャラリーに来るとは思ってなかったが、夏のこの時期ということもあってか、Gilbert & Georgeの個展をやっていた。イタリア生まれでロンドン在住という出自を題材にした作品。イギリス代表でヴェネチアにも出たことがあったのをはじめてしった。中は2フロアあり、それぞれ天井も高く床面積も広い。その後近隣にあるギャラリーに向かうが、閉廊中だった。


その後は地下鉄に乗ってサーペンタインへ向かう。先に仕事を済ませて、ようやく今回の任務は終了。その後サーペンタインの屋外パビリオンを見る。今年はSANAAによるもので、皮膜のような薄い屋根を不定形に広がらせ、それを細い柱で支えている。微妙に勾配もつけて広がっており、中ではカフェやイベントスペースが展開。パビリオンといってもこのくらい規模と機能を持たせたものを作られれば集客にもつながるだろうし、作品としての側面からもいいものができる。それがまた話題や集客、場合によっては資金面でのメリットにもつながるのかもしれない。入り口にはサーペンタインを支える数多くのスポンサーの名前が出ていた。端的に言ってしまえば文化の違いなんだろうけれども、仕組みであったり、意識であったり、もう少しこの状況の背後に何があるのというのを、きちんと見てみたい。
サーペンタイン・ギャラリーではJeff Koonsの個展。ポパイのスペルはPopeye、pop+eyeなんだということを知った。子供が空気を入れて膨らませてプールなどで遊ぶような遊具と脚立やバケツ、金網といった物質が完全に一体化してた。ディテールをどれだけ見ても完璧だった。彼の英国における個展は初とのこと。


サーペンタイン一帯を歩きながら、途中雨に降られたりしつつも中心のほうに向かう。ロンドンは広い公園がいくつもある。ここサーペンタインも、平日の昼間なのにたくさん走ってる人がいたりする。


市内中心のwhitecubeでもGilbert & Georgeの個展が開催されていた、こちらも市内中心部の、路地から中に入り込んだ袋小路の中庭的スペースのど真ん中に、まさに白い箱をぽんと置いている。地上も地下も広大なスペースがある。
その後は地下鉄に乗ってテートモダンへ。発電所跡というが、こんなに市内中心部に発電所があったんだと思い、改めてロンドンの町の古さを感じる。外観は最上階部分と細い開口部以外はほぼ残しているので、印象的にも古いまま残っているように感じるが、中は完全にホワイトキューブ。恐らくもともとの天井高を生かして、多様な部屋が展開されていた。常設を見ただけだが相当なボリューム。現代美術といっても70年代位までの展示が中心。展示室前の休憩スペースに、近現代美術の作家名とその時々の活動や運動が時系列に並んだ年表があり、それはショップでも売られていた。完璧ではないにしろ、現代美術を網羅的に展示してわかりやすく伝えようとしている姿勢を感じる場所だった。


この時点で18時だったが、今日は金曜日だったので幸運にも多くの美術館が22時くらいまで開館していたので、最後にヘイワードギャラリーへ。ここだけ展示を見るのにお金がかかった(ほかも有料展示はあったけど見なかった)。
展覧会はWalking In My Mind、片岡さんがキュレーションということもあってか、日本人の作家が3名もいた。やはり企画されてそれに基づいて作品が置かれているだけあり、この展示が一番面白かった。ピピロッティとか、どれもその世界に吸い込まれるような体験ができておもしろい。


一日でとりあえず見たかったところを周った。大英博物館とか、植物園(?)とか、まだ行けてないがそれはまた今度。