アドベンチャー・レーシング・ジャパン・シリーズ(ARJS) 第一戦 長良川大会  その4 〜MTB〜


スコアOを終えてMTBで出発したのが11時過ぎで、この時点で順番的には1位。他のチームはまだスコアOを続けている。

最後のトランジットを終え、威勢よくスタート、と思いきやいきなりアクシデントが!
なんと階段を降りる途中で思いっきり自転車を吹っ飛ばしてしまい、なんと牽引棒が折れてしまったー。
手探りで作ってきた牽引棒。というかせめてそのくらいしか貢献できないであろうと思われていた唯一の部分がなくなってしまう。とりあえず引っこ抜いて紐もサドルに巻きつけ先へ進む。牽引は先日のエクストリームのときにはじめてやったが、この棒の取り付け方が非常に難しくなかなかうまく行かない。試行錯誤だが、とりあえず次回はアクリルの棒ではなく塩ビのパイプでやってみようと思う。あと、意外と紐の長さがどのチームも短かったりするので、その辺りも参考に。「行け隊長!起きろまなじ〜!」チームの牽引棒は。釣竿が巧妙にいろんなパーツで組み合わされていて。サドルのパイプにちょうど通る径のリングで接続されていて、担ぎのときは取り外し可能という優れもの。もはや芸術の域に達していて、いつの日かはあれくらいのレベルの牽引棒を作れるようになりたいと誓う。


さらに一つ、大きな教訓がmap台。これはこのレベルのレースになってくると必須。というか、map台が無いとそれだけで地図読みの精度や頻度、スピードも落ち、結果的に地図が読めなくなる。というか読む余裕が無くなる。舗装路や林道をひたすら進むだけであれば無くても良いが、微妙なカーブを通過して現在地を確認しながら頻繁に地図を見る場合にはmap台が無いと苦しいし、登りでわざわざ取り出して見て、とやっている余裕は正直いってなかった。この点でMTB区間ではほとんど地図読みに参加できず迷惑をかけてしまう。ちゃんと自分が読めていれば、もしかしたらルートをずれたりすることも無かったかもしれないし。

CP14は普通に通過し、その後ロードをひたすら進んでCP15も取る。このあたり、前日の地図読みの段階でタケプーさんが「怪しい」と言っていた箇所。次のCP16はCP14からCP15へ行く途中の見坂峠と言うところから伸びる道上にあるように見えたが、あえてその峠ではなく、少し行ったところに何故CPを設置したのか。これこそ、先述したイマジネーションを働かせる箇所だったと思う。CP15はちょうど沢になっているところなので、もしかしたら地図には載っていないけれども、ここには沢道があって近くの鉄塔道へ抜けるルートがあるのではないか、と前日の段階で想像しておき、あとは現場で確認。もしなければ戻って峠のところから登る方法を検討するとか。結果的にはここに想像通りの沢道があった。他のチームでは、ここからいったん峠に戻り急斜面を担ぎで登ろうとして断念したチームもいたらしい。イマジネーションの重要性を体感した場面だった。


CP15からCP16へ向かう道は決して楽なルートではなく、鉄塔道として段ができているという心強い状況はあったもののなかなか厳しい担ぎの登りだった。ここでもほとんど地図読みには参加しておらず、尾根を間違えて逆方向に少し進んだときも普通についていってしまう。結局少し進んだ段階で、こんな急なはずは無いということで間違いに早めに気づき、すぐ修正できた。この辺りのすばやい判断のようなものも今回学んだ点。常に怪しいと考えて、おかしいと思ったらすぐ修正できる柔軟さ。全体どんな優秀な人でも間違えるんだかた自分も間違えて当たり前、という前提は非常に重要。それができることで、ミスの修正を早め、最終的なスピードを上げていける。

CP16からCP17は尾根伝いに気持ちよくトレイルをMTBで走る。途中担いだり押したりは多少あったけど、きっとうまい人は全部乗っていくのでしょう。この辺りはもう全然地図読めず。やはりマップ台が欲しい・・・。

ただしばらく進んでいくと切り立った尾根に到着。目の前には送電線が走っていて、どうやら途中で北の尾根に抜けなければいけないところを東の尾根に降りてしまったらしい。これが前日のブリーフィングで言っていた間違いやすい枝道だったかーと思いつつ、下ってきた急斜面はいまさら戻れなそうだったんで、とにかく下まで降りてトレイルまで出ることに。これもまた結構な薮だったけれども、何とかかついで降り、MTBを置いてその道を上に向かって進む。何とかポイントゲット。そこではおじさんがカメラを持って待ち構えていた。どうやらそこのトレイルをMTBで飛び込んでくるところを待ち構えていた模様。こんな難しいルートを通ること自体、初めてだったので全てが勉強になる区間ではあった。今回間違えたところは結構他にも間違えている人がいたようだったし。それにここ以外にもたくさん枝分かれする道があったので、そのつど現在位置を確認し、どちらへ進むかを正確に判断する能力が要求されていた。

CP18へはひたすら下り。気持ちよく降りて行って13:00頃に通過。現時点で1位。ここの関門が13:40なので、ほとんどのチームがここで引っかかったしまうのではないかなー、と話しつつ先へ進む。最終的にここを時間内に通過できたのは参加16チーム中5チームだったらしい。


CP18からCP19へは指定のルートで進み、ここで補給休憩。タケプーさんの足が若干つり始めたのをみたスミさんから強制的に補給の指示が入る。その後は長いのぼりをひたすら進む。ここでも牽引棒がなくなってしまったため、皆独力で登る。一瞬、スミさんより牽引の話が出るが、準備に時間がかかりそうなのを見ると、「じゃあいい、このまま行く」と進む。そして結局そのままゴールまでひたすら漕ぎ続け牽引無しで進んだ。さすがトライアスロンの訓練をしてるだけあるなー、と後姿に驚きつつ、何よりも自分が遅れない様に必死にこぐ。この辺りの時間帯から未知のゾーンに突入。エクストリームでは大体6時間くらいで終了だが、このレースは距離も1.5倍と長い。CP21を14:30頃に通過して完全完走は確定。この先の道もどうやら林道のようで迷う要素もほとんどなさそうと言うことが分かり、ひたすらこぐ。途中エネルギーが切れかかるがなんとか持ちこたえついていく。前の二人は地図も読みつつだったので恐るべきスタミナ。補給は量も重要だがタイミング何よりも重要だなと実感しつつ。

ここでもタケプーさんの地図読みがさえる。クネクネ曲がる道が何度も繰り返される、しかも微妙に登ったり下ったりと。そんな中で道の途中にあるCP22、CP23をピンポイントでおさえる。これら道上ではなく、ちょっと脇に入った沢や尾根上にあるので、実際降りて進まなければわからないのだが、これをピンポイントで止まってとってくるというのは凄かった。これこそ、常に現在地を確認しながら前に進まなければできない。


あとはひたすらガレ場を下っていき、道上のCP24をとりゴールへ。15:10頃にゴール。この時点で順位は1位。その後2位、3位のチームが団子状態で15:30頃に到着。

                            • -


最終的な順位は3位。

完全に想像を上回る結果で個人的には大満足。そもそも、この参加メンバーの中で3位というのは良すぎる結果だった。

今回学んだことはこれまでに書いてきた通り無数にあるが、これまでアドベンチャーレースはエクストリームしか経験が無かったけれども、今回のARJSを経験してより長い距離のレースや地図読み能力の重要性、ラフトのような水モノ系技術の大きさ、などを実感した。地図も全部で6枚+1枚(スコアO用)も配られ、それだけでも規模の大きさがわかる。

何よりも最低限の装備をそろえ、他のメンバーの足を引っ張らないように次回までに準備を整えなければ。次回大会は三浦海岸でシーカヤック。これもまた差がつきそうだなー。