インドと英語

インドで生活するメリットの一つに、英語で生活できる点がある。
もちろん、マーケットに行ったら英語が通じずヒンディーで返されることも少なくないけれども、少なくとも仕事上では英語でいける。

さらにインドの場合、独特のアクセントというかクセに加えて、言語の種類を超えたコミュニケーション能力も試される。簡単に行ってしまうとインド人は押しが強い、それも日本人からするとかなり強いので、いかに面倒くさくならず、その押しをはねのけたり、自分の流れに引き寄せるかが大切になってくる。

仮にインド人のスタッフと、ポスターの制作について話をしているとする。こちらがはなさないで黙っていると、ずーーーーーっと話し続ける。これ、本当に。挙句の果てに、なぜか自分が一方的に攻められているような錯覚にも陥る。これを自分の流れに引き戻すのはなかなか大変。ただでさえ彼らの英語は早口で、かつ独特になまっていて、そしてとめどなく流れ出てくる。

ただ最近では、そんな彼らのトークのなかの、ほんのわずかな間隙をついて口をはさむ感覚がようやく身についてきた。
あと、こんなことを言っては身もふたもないのだが、英語が正しいかどうかよりも、勢い、雰囲気、時に圧力を見せるのが変化を生み出す時に有効である。ちょっと身振り手振りを使ったり、大げさにふんぞり返ってみたり、そこまでしても彼らは気づかなかったりするのだけれども(たぶん同じこと日本人にしたら失礼)、そういう合わせ技でようやく対等に向かい合えたりする。

そんなかんじで、英語の能力は全然まだまだだけれども、コミュニケーション能力は日々現場で鍛えられている。