ザ・ノース・フェイス OSJ志賀高原トレイル50K

思い返せば、初めてのトレランレースは2年前の箱根50Kレース()。当時はマラソンもまだ走ったことが無く、エクストリームに二回出た程度だったけど、「とにかく出てみたかった」という無謀な同期で参加。結果、膝もボロボロになりながらm何とか11時間45分かけて完走したんだっけ。
久しぶりに過去の記事を見てると面白い。とかとか。

OSJのレースは、思い返せば箱根以来だった。
昨年のハセツネ以来のトレランということで、どうなることかと思いつつ出場。


結果は8時間45分でなんとか完走。


箱根のタイムを思えばダイブ進歩したなーと思いつつも反省点は多数でしたが。


今回のレースの特徴、これを一言で言うならば「ゲレンデ」でしょう。
他にも志賀高原らしい草原や神秘的な湖、静かなトレイルなどもあるのかもしれないけど、そういうものすべてが吹っ飛ぶくらい、「ゲレンデ」にやられました。


ゲレンデ、とはいわゆる冬はスキー場として使用されている所。
スタート直後、いきなりスキー場の斜面を直登。その後もトレイルを走った後に焼額山の頂上に向け直答。さらにスタートの高天ヶ原に戻ってきて、また直登・・・。


今回のレースは大きく前半と後半に分けられて、前半は焼額山奥志賀高原スキー場の周囲をぐるりと回り、最終的には焼額山に登って降りるコース。後半は寺子屋峰、赤石山、鉢山、横手山、と登り、木戸池スキー場に降りてきて琵琶池を回って蓮池にゴール。


スタートは6:00。直後の直登のあとは、同じくらいゲレンデを下らされ、後は心地よいトレイルをいく。これがけっこう長かったけど、無事に過ぎて舗装路を登り、焼額登山口に着いたのが7:50頃。
レース前にトイレに入っていたのだが、どうしても我慢できずトイレへ駆け込む。レース中にここまでになったのははじめてかも。ここで10分ロス。
その後、またゲレンデを登る。
よく分からないままに頂上につき、ゲレンデを下る。
そのまま流れでスタート地点の高天ヶ原へ戻ってくる。ここが第一関門。


目標から15分遅れくらいの9:15到着。距離的にも半分くらいか。


ここからまた、同じようにゲレンデを登る。途中からトレイルへ。

寺子屋峰、赤石山といくこの辺りがモチベーション的にきつかった。まだ半分きたばかりだし、なんだか足とかつらいし、どろどろだし、とか。
やめちゃおうかなーとか、何気に思いつつ。ちょっと平坦でも走りたくないなーとか。この辺の精神力強化はハセツネへ向けては必須。訓練方法は分からないけど、とにかくロングを走りこんで疲労度に体を慣れさせるとかか?経験をつめばつむほどだいぶ先を見通せてしまう反面、走ることへの新鮮味が若干欠けてきてモチベーション低下に繋がる気がする。
足は本当にフラフラだった。モチベーションの低下と足の筋力の低下、おまけに路面はぬかるんでるので超スリッピー。
登りでも結構な段差があると足が滑って上れなかったり。ほんと辛かった。靴底には泥が詰まってグリップもきかず

しかし、ここはなんとかアミノ酸とパワージェル補給で乗り切る。

今回の補給は、アミノ酸アミノバイタル)とジェル系補給色(パワージェルとカーボショッツ)のみで行った。
初心に戻ってアミノ酸を1時間に1袋、確実に摂取し、加えて1.5時間から2時間おきくらいにパワージェル(2袋)とカーボショッツ(3袋)を摂取。
断定は出来ないが、アミノ酸の摂取もあって足ツリは無く乗り越えられた。結構な斜面を上り下りしていたので、これは補給のおかげだと思う。
また前日と当日朝に相当量のカーボを詰め込んだおかげもあって、レース中の補給がジェル系のみで乗り切れたのはいい自信に繋がった。というのも、いつも不安なあまり多めに食料を持っていってしまいがちだったので。自分は胃が弱いようなので(昨年の里アドで確信)、レース中は極力胃にやさしい補給食でなければダメらしい。
ちなみに飲料は2Lのハイドレーションに水+500mlのアクエリアス(急遽購入)、これで横手山頂上までもった。スピーツ系飲料じゃなくても、アミノバイタルのようなBCAAを含む各種素材を摂取しておけば水でもいけることも実証できたのは良かった。

ヘロヘロになりながら、途中どうしても休んでしまいながらも、何とか赤石山に到着。横手山まではあと半分。
赤石山頂上から見えた大沼池には本当に癒された。景色で癒されるのか、とか思ってたけど、ここで一息ついたせいも大いにあると思うが、リフレッシュするスイッチが入り、心機一転できたと思う。



といいつつも、赤石山を下り始めるとやはり辛い。高天ヶ原からここまでとおなじくらい距離有りそうじゃんとか思いながら、途中苦しみつつ、でもOSJの地図の高度が適当すぎて現在位置もよく分からず、ピークの数を数えたりしながら気持ちを維持し、それでも抜きつ抜かれつ、でも抜かれる方が多かったかもしれないけど、何とか横手山手前に到着。

そして、唖然。

ここにきて、最後にゲレンデ直登が待っていた・・・。

前半は高原トレイルで後半は木々の中をトレイルかなー、とか思いつつやっていたが、最後の最後でこれですか。本当に何を考えてるのか。マジで頭にきたけど、怒る気力もないし、怒ってもそもそもレースなのでしょうがないので、淡々と登る。
まっすぐはもう登れないので、ジグザグで登る。一つ目のゲレンデをクリア。すると目の前に次のゲレンデ。それをクリアしても次の斜面が・・。上りきってもそのはるか向こうに、人がぽつんと点で見える。ほんと、ありえません。
周囲の人々は、ある人は怒り、ある人は叫び、ある人はため息をつき、そしてある人は笑ってる。
いい天気だったので登山客もちらほらといたが(一応、登山コースでもある)、おかしな人々が間隔は多少あけながらもゼーゼーいいながら斜面を這い蹲りながら上へ上へと向かっている姿は、明らかに怖かっただろう。

上りながら、無理やり「ゲレンデのいい所」を考えてみた。

何よりもまず出てきたのは、短い距離で高度を稼げる点。最後の横手山手前は、残り1kmといわれたとき、ピークまであと150-200mくらい高度を上げなければいけない状況だった。200mアップを距離にして1kmで達成できるとはなんとお得なんだ、とか思いながら上ってた。
でも、メリットはそのくらい。むしろ坂が急すぎて前に進まない、ハムストリングだけでは上れなのでどうしてもふくらはぎ使ってしまい、すぐ筋疲労が発声、腰も痛くなる、とかそういった現実的なマイナス面が体を襲う。


そして最後の斜面。今回見た中で一番の急斜面。スキーだったら絶対超上級コース。
上でスタッフが笑顔で手を振っている。軽くイラッとしながらも、ひたむきに登る。ちなみにこの人たちはリフトでやってきてる。



12:55、第2関門の横手山頂上に到着。

ここで水を補給できたのは良かった。
しかし、昨年のハセツネの反省を生かしきれず()またもやハイドレーションに水を汲みすぎた。残りはほとんど下りだったのに。

ゲレンデの下りは、登りと同じくらい辛い。
まず太ももの前面に対するダメージはすさまじい。レース中よりもレース後、もっと言えば翌日がピークだった。かなりストレッチしたけど、それでもダメ。
自分の場合、どうも膝関節にはダメージが残らないようになってきてるので(膝だけは最近痛くならなくなった)、その点ラッキーなのだが、その分太ももの筋力でカバーしてくれてるんでしょう。おまけに足のつめもぼろぼろ。靴の履き方も気をつけてはいるのだが、これだけの距離を走り続けるとどうしても靴の中でずれてしまう。この辺は靴を選ぶとか、履き方とか、もっと研究しなければ。


横手山から木戸池に向けてはずーーーーっと、下る。
日常生活では絶対見ないくらい遠くにある矢印を目標に走っていると、本当に不思議な感じになる。同時にそこそこのスピードを出して走っているので、あまりそこに気を取られていると、足元がおろそかになるので転びそうになる。
この段階で相当なスピードを出して駆け下りていく人を見てると、違いが出てくるなー、と思う。相当疲労は来ているはずなのに。


最後のエイドステーション、木戸池に着いたのが13:30頃。
残り8km。大きなアップダウンは無いものの、1時間でのゴールは厳しいか。

このあたりになってくると、とにかく淡々と前へ進む。歩きたいのだけれども、登りではない限り小走りで前へ進む。これをしないとするとでは、トータルではそこそこの差が出てくる。
残り3km付近で、またもやゲレンデ。最後の最後まで直登ですか、と思いつつ、しょうがないので上る。
地元スタッフから、みんなかっこいいよー、感動だよー、とか言われるが、上手く答えられず、それより早く帰りたいと前へ進む。

最後は池の周りを走り、ゴール。

箱根50Kに比べるとだいぶ人が減った、というかあれほどの感動のゴールシーンは無かったけど()、それでも特にゴール付近は多くの方にたくさん応援されて、気持ちよく走れた。


今回は距離から換算して、目標8時間くらいで設定していたが(しかもあわよくばより早くとか考えてたけど)、そんなに上手くはいかず。ちなみにトップ選手は5時間半でゴールしてる。

50kmでトップと3時間15分差。
ハセツネの71.5kmだったら、単純計算で4時間30分差。
トップが7時間40分くらいだとして、12時間10分。
ちなみに昨年は13時間40分。
とか計算すると多少は速くなってるのか??


反省点は大体以下の3点。


1.ロードの練習が重要なのは変わらないが、やはり多少トレイル経験が無いとアップダウンへの対応もさることながら、中盤以降のメンタルがきつかった。
これはハセツネでもいつも三頭山手前で発生するので、何とか乗り越えられるように訓練せねばならない。

2.食料についてはある程度どういったものがどの程度の物量必要かが見えた。ただ、1時間ごとにアミノバイタルばかりというのはかなりきついので、アミノバイタル以外のアミノ酸系のアイテムを探さねば。べスパは高いけどやはりあれは効くのかしら。あと、水については味はつかない範囲で(味が多少つくと飲みすぎてしまう)何らかの物質を入れられるのであれば検討したい。先日の安曇野でよかったポッカレモンのような口の中をすっきりさせてくれるものも必要だった。

3.今の段階では膝への影響は起きてないが、いつも言ってることだがもう少し体を軽くしないと後半に差が出てきてしまう。今回も結局中盤で何度か止まって腰を下ろして休んでしまった。腰は元々弱いのでしょうがないが、そこを補強できる準備が必要。


次は2週間後の、OSJ100km。
今回の倍の距離だけど、そこまで激しいアップダウンはなさそうなので、これまでの実証結果を踏まえ、楽しんできます。
自分の体を使った実験がなかなか楽しい。