20090219

谷川連峰ラソン中止
6月に予定トレイルランニング

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20090217-OYT8T01156.htm

みなかみ町観光まちづくり協会が中心となり、谷川連峰で6月27〜28日に開催を計画していたトレイルランニング大会が中止されることが18日、決まった。3月から参加者を募集する予定だったが、直前になって山岳団体などから、滑落事故や自然破壊の可能性を指摘されたうえ、コースの一部が国立公園の特別保護地区に接するため、環境省も慎重な対応を求めたことなどから、こうした問題がクリアできるまで開催は困難と判断した。大会は同協会が観光振興の一環として、従来の登山やトレッキングとは異なる視点から新たに取り組んだものだが、実施に向けて自然保護や安全対策などとの調整が重要であることが改めて浮き彫りになった。

 同協会などでつくる実行委が今月初旬、同町に提出した計画によると、大会名は「ツール・ド・TANIGAWA」。みなかみ町水上温泉を起点に、谷川連峰がある上越国境を越えて新潟県湯沢町まで往復70キロを2日間かけて走破する。谷川岳東面の岩壁を眺めながら稜線(りょうせん)を走れるように、白毛門、笠ヶ岳朝日岳など標高1700〜1900メートル級の尾根を往路コースに設定した。今月1日には山岳マラソンなどを専門とする雑誌のウェブサイト上で募集要項が公表され、同協会や町には問い合わせが相次いだ。

 この計画について、異論を唱えたのが、山岳団体自然環境連絡会(事務局・東京)。日本山岳協会日本勤労者山岳連盟、日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラストなど計7団体の自然保護担当者で構成しており、今月16日、町に対し、大会に反対する内容の意見書を提出した。反対の理由として、〈1〉多数のランナーがタイムを競い合って駆け抜ける行為は登山道や高山植物の踏み荒らしを招く〈2〉狭く急峻(きゅうしゅん)なコースでランナー自身のみならず、一般の登山者を巻き込んで事故につながる危険がある――などを挙げた。

 また、谷川連峰上信越高原国立公園にあり、同公園を管轄する環境省長野自然環境事務所(長野市)は、厳正な植生の保護などが求められる特別保護地区などでは山岳マラソン大会は開かないように主催者に求める方針を昨年4月に決定。長野県内で行われた別の大会の関係者から事前の相談を受けたことがきっかけだった。谷川連峰での大会でも、コース中に特別保護地区と接する部分があり、同事務所は、開催はこの方針に抵触する可能性があることを実行委に伝えた。

 こうした中で実行委は16日、町を通じて官民の関係機関、団体を集めて説明会を開き、白毛門などを通るコースをあきらめ、ふもとの湯檜曽川に沿って清水峠を目指すという変更案を新たに提示した。17日には、サイト上の募集要項も削除された。しかし、山岳団体関連以外の関係者からも慎重意見が根強く、18日になって中止を決めた。同協会は取材に対し、「安全面の確保に万全を期す必要もあり、仕切り直しすることを決めた」と説明した。

 大会中止について、国内の山岳マラソンの第一人者で、県職員の鏑木毅さん(40)は、個人的見解とした上で、「谷川連峰は他の山域と比較しても気象条件が厳しいため、安全確保の面で十分な態勢が必要で、現状で中止の判断はやむを得ないのでないか。ただ、全国的に見ても優れた景観がある魅力的な場所であり、自然保護と若い登山者の育成を両立できる大会を開催することは十分に可能だろう」と話した。
(2009年2月19日 読売新聞)


今年一番楽しみにしていた大会の一つだっただけに残念。

この手の話は、既得権益を死守したい旧来側と、新参者との対立に尽きる気がする。

「山は走るものではない。なぜなら環境を破壊する行為だから」という意見がほとんどなんだと思うのだが、これはタチが悪い。

時代の流れで、「環境」といえば「正義」であり、それを盲目的に信じている大衆が多すぎる。だから小泉劇場、というフレーズも出てくる(個人的には小泉好きだけど、盲目的ではない)。

何も知らない人が聞いたら、そりゃ多くの人は「そりゃ環境に悪そうだ」と思うでしょう。確かにそういう要素はあるかもしれないけど、でもそれは全体の一部に過ぎないわけで。

普通に登山してる人と、トレランやってる人、比率としてどちらがどれだけ環境に意識があるか。