59 リスボン2


まず始めに。

コレまで色々なところを旅行してきたが、リスボンは間違いなくその中でもベスト3に入る。
今回の滞在では全ては到底見切れず、絶対にまた来たい。




9:00にフラット近くのセ大聖堂で待ち合わせ、歩いてBaixaへ下りていく。朝食はPlaca dom Pedro ?に面したConfeitaria Nacionalで食べる。その後広場からバスでSao Jorge城へ向かう。

城からは市内が一望でき、濃い青空の下で白い町並みがはえる。景色もさることながら、場内のちょっとした場所が今回の旅で一番印象深い。冬の午前中ということもあり、人はほとんどいない。
高い石壁とすらっと伸びるオレンジの木、静けさ、抜ける青空。


ポルトガルはヨーロッパの西の端。
他のヨーロッパの国と比べても雰囲気が全然違う。

日本はアジアの東の端。
アジアの中でも全く雰囲気が違う。

この共通感は精神的な部分のような気がする、とこの場所で思い、また他の場面でも思い出す。



その後、museu teatro romanoに立ち寄る。リスボンは予想以上に歴史がある町で、ローマ時代の遺跡が未だに街中で発掘されている。ここはその一つで、現在は周辺街区に関しても市が購入計画を進めている。リスボンでは、市街内は工事をする前にまず発掘をしなければならない。そして何かが見つかった場合、美術館等に報告しなければならない。現在、ユネスコ世界遺産への登録を目指し、街をあげてこうした保全活動が進んでいるらしい。


その後、セ大聖堂へ。内部を見学。ここでも教会内の発掘エリアをみたが、ローマ時代から1700年ころまでの各時代の痕跡がレイヤーとなって重なっているのを見て驚いた。ローマ時代の街路の上に14世紀の商店の痕跡があったり。


教会を出て近くの公衆トイレへ入る。公衆トイレは地下にあるのだが、そこにも遺跡がある。まず入って驚いたのが、トイレの壁一面がガラス張りになっていて、その向こう側(つまり、道路の下)に遺跡が見える。どこを掘っても昔の地層が出てくるようで、そうしたものをきちんと保存している。そこにはトイレおばさんがいて、管理しているらしい。


その後、トラムに乗って昼食を食べに行く。


リスボンの中心部は2つの丘のように高い部分(Alfama, Chiado)とその間の低い部分(baixa)があり、それらがRio Tejoという河に面している。リスボンの市街を魅力的にしている最大の要素が坂で、平坦なところがほとんど無い。その分、普通に道歩いていても、景色が刻々とかつ劇的に変化する。歩いていたら突然道の先に河が見えたり、あるいは丘の上の城が突然目に飛び込んできたりする。
そしてこの起伏にとんだ市街の移動を助けてくれるのが、これらのエリアを繋いで走る、超キュートなトラム。このトラムは一度見たら絶対に忘れられない。特徴としては、まずこの車体は既に100年以上走り続けているらしい。車体は当時のものをメンテナンスして使い続けている。その分動きもぎこちないのだが、それがいい。1両編成で、そのずんぐりとしたフォルムのトラムが一生懸命坂道を登ってる姿、そして社内にはおじいさん・おばあさんが無表情で並んで座っている。狭い社内にそこそこ体の大きいポルトガル人がストンと納まっている姿は、なんとなく微笑ましかった。
一度、このトラムの走っている路線の一部が休止されそうになったとき、リスボン市民が署名活動をして復活させたこともあるほど、このトラムはリスボン市民に愛されている乗り物らしい。


昼食はBica me(Rua de Bica Duarte Belo, 51, Tel: 21-343-1008)で食べる。開店と同時に到着したこともあって、ゆるーい雰囲気と音楽がよかった。


その後、Bairro Altoのギャラリー(www.galeriagracabrandao.com/)や市がリノベーションして若者向けに貸し出してるフラット等を回りながら、サン・ロケ教会へ行く。ここにはあのフランシスコ・ザビエルに関する絵画が多数展示されていた。その後、Convento dos Cardaesへ。元修道院で、現在は目の不自由な方々が共同生活をしている施設として利用されている。


再び市内へ戻り、UMA CASA PORTUGUESAへ。ここは、ポルトガル製のものだけを昔ながらのパッケージで販売している店。ポルトガルにはこの店もそうだし、また町並みや遺跡の保全など、細々と地道ではあるがグローバルな力に対抗して自分たちの「モノ」を使っていこうという動きが、街のあちらこちらで見られる。それらは、変に頑なではなく、外国人である自分たちにも開かれているし、自然だった。


再びAlfamaへ戻り、pois, caféへ行くも座席が満席で、少し待つ。その間、teresaさんというアーティストの店で時間をつぶしつつ話を聞く。
カフェはオープンキッチンで、友達同士で始めた感があって心地よい。スーパーによっていったん帰る。


20:30に再集合し、ディナーへ。Alfaia(Travessa da Queimada, 22 Tel; 213-461-232)へ行く。
一人友人の友人が加わって、楽しくディナー。
ポルトガルの料理は、スペインよりも味が繊細で個人的にはこっちのほうが好き。中国料理と日本料理のような関係なのか。ますますポルトガルという文化に興味が出てくる。バカラオという鱈のような魚が有名らしく、また米料理もバラエティーに富んでいて、ワインもデキャンタが出てくるほどのレベルのもので、最高だった。


帰り際、友人の友人の店Semsim Loja(R. da atalaia, 34 www.semsim.net/)に寄る。彼女は雑誌社を辞めて地元のデザイナーの作品を売る店を開いている。バーも併設されていて、多くの客でにぎわっていた。


ダメ押しでカフェCafé No Chiado(Lg. do Picadeiro, 10 a 12, www.cafenochiado.com)による。もっと滞在期間が長ければ朝食を食べに寄ろうと思ってたが出来ず、でもぜひ見せたかったらしい。美術館の目の前で上階には美術館系のNPOとスタジオが入っているらしく雰囲気もよかった。このカフェもそのNPOが経営している。


かなりはしって書いた。でも情報だけでもこれだけある。