37 スペインではクリスマスが2回ある。


スペインではクリスマスが2回ある。


明日の1月6日がその2回目の日で、主節祭というらしい。
この日は、キリストの誕生を祝うために、「東方の三賢士」なる方々が、ラクダに乗って貢物を携えてベツレヘムへやてきたのにちなんだもので、その前夜、つまり今日1月5日の夜には、スペイン各地で盛大なパレードが行われる。


ヨーロッパのクリスマスは静かだなと思っていたところで、最後になかなか凄いものがきた。


バルセロナではシウダデリャ公園から市内を通ってモンジュイックまでのルートで、自分はカタルーニャ広場でこのパレードを見た。

出かける前に家のテレビでも各地の模様を放映していたが、マドリッドもセビージャも凄い数の人が街中に集まっていた。
19:30過ぎにカタルーニャ広場へ行ってみると、そこには凄い数の人がいた。
テレビ局は仮設を組んで撮影。


このパレードの一つの目玉は、パレードをしている人が「飴」を沿道の観客に向かって投げる、つまりイメージとしては「三賢者が皆さんにプレゼントを配る」というものがある。
コレ目当て、かどうかは分からないが沿道には凄い人の数がパレードを待っている。

どうやらそれぞれの「山車」には企業スポンサーがついていたりするようで、のりの会社とかが出ていた。


「山車」にのっている人は基本的に素人なのだが、それでも沿道の人との間で、ディズニーランドのキャラクターと観客のような関係ができあがっていて、観客はただの素人のおじさんにキャーッといって手を振り、それに彼らもゆったりと手を振りこたえる。
でも素人なんで若干ぎこちなく、面白い。

たださすがスペイン人、子供なのに、両手を上にあおって観客を陽動したり、ボスっぽいおじさんが拡声器でドスの聞いた声で「皆さん、こんばんわー」とか行っているのを聞くと、ぐっと来る。
まさに国民性、文化だ。


あと、実際パレードが始まってまず気になったのが、何故か顔を黒塗りしている人達。コレは、祭りの趣旨を知ってわかった。あと、皆さんが乗っているのがラクダとか象(の、はりぼて)。ちょっとイメージと違ったが、これも上の経緯よりわかった。
つまり全体として、自分の抱いていた「ヨーロッパのお祭り」という雰囲気ではない。もっと白馬に乗った王子様とか、金髪のお姉さんが手を振ってくれる(ディズニーランド)イメージを想像していた。


パレードをしている車から打ち上げ花火が打ちあがったり、紙ふぶきが振ってきたり、飴も降ってきたり。
そして彼らの後ろを、BCNetaのごみ収集車が走る。


パレード自体はおそらく30分ちょっとだったのでは、と思う。そんなに長くないので見ていても疲れない。
紙ふぶきや飴をまき散らしても、ゴミ収集車がぴったり張り付いてパレードが進むので、そこまで道も汚れない。
新年の日も、朝から凄い数のBCNetaスタッフが街中に出動していたように(そしてテレビのニュースはそれを報道)、今回もそういう体制が敷かれているのだろう、きっと。


そういえば、ちょっとかっこいいのが、この間道で出会った清掃スタッフは、何故かラジカセを抱えながら、ホウキで落ち葉を掃いていた。ラジカセからはラジオかCDか分からないけど音楽が流れている。
最初見たとき、ラッパーですか?着ている服は蛍光の黄色と緑だし、と思ったが、こっちの人は全体的にあまりイヤホンで聞かないで、ラジカセとかでわざと音を聞こえるようにして(?)聞いている人が、バスの乗客にもいたり。まあほとんどは、ちょっと反社会的なことをしたいクールな少年達なんだけど、ただ、清掃スタッフがまさかやるとは。そういえば市内の路線バスの運転手も好みの音楽掛けながらノリノリで運転している。
まあやることやてりゃいいでしょ、という発想か。


無駄に気にしない。
無駄に我慢しない。