32 MNAC、バルセロナの大晦日


昼前に歩いてEspana広場まで行き、Museu Nacional d’Art de Catalunya(MNAC)へ行く。ここはカタルーニャ美術を所蔵してる国立の美術館。

日曜の開館時間は14:30までだった。2時間以上あるので余裕だろうと思いきや、中は予想以上に広く、常設展だけでも美術館の名前の通り、カタルーニャ美術をロマネスクから現代まで紹介しており、かなりの量で、結局後半の半分しか見れず。
一部の作品は、アメリカ(クリーブランドとニューヨーク)の美術館で開催中のバルセロナモダニズムをテーマにした展覧会に貸し出されていた。


また常設展以外にも3つほど企画展が開催されていて、そのうちの一つにHumberto Rivasという写真家の展覧会”El Fotograf del Silenci”が開催されていた。
Humberto Rivasは1937年にブエノスアイレスで生まれ、1969年のヨーロッパ旅行でバルセロナと出会い、1976年までバルセロナに在住。そんなつながりからか、MNACで個展が開催されていた。
静寂さとタイトルにあるとおり、モノクロ写真が淡々と並んでいる。じっと見ていると、無機的なモノの中に広がる微妙な陰影に、時間の流れを感じる。


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その後は家で色々とやりながら、夕方少し街に出る。
クリスマスから今日くらいにかけて、ぐっと観光客が増えている。特にアジア系の顔とフランス人。日本人もそこそこいるようだが、日本人だらけという印象は無い。むしろフランス語がやたら飛び交っている。


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夜は夕飯を食べに出る。この間飲んだ店で食事をしてみる。値段も結構する分、味もかなりいい。以前バルセロネータで食べたpaellaもそうだけど、米料理の味付けがイタリア料理とも微妙に違っていて*1、うまい。味付けを知りたい。


話も盛り上がり、そうこうしているうちに23:30をまわっていた。
年越しはカタルーニャ広場で迎えることに。


店はこのカタルーニャ広場から山側にまっすぐ延びるグラシア通り沿いにあったのだが、店を出ると凄い人の波がカタルーニャ広場に向かっていた。何かが起きそうな予感。その波に乗って、カタルーニャ広場へ向かう。


広場はすでに超満員で警察も出動中。ただ、例えば大型スクリーンとか音響設備は全くなく、ましてやカウントダウンをやるための時計もない。つまり、何も無かった。


ただ、ここにいる人たちにとっては、あまりそういったことは関係ないようだった。広場には23:55頃に着いたが、既に盛り上がりはピークに達しつつあり、歌を歌ったり、間違えてシャンパン開いちゃったり、爆竹があちこちでなってたり、何故かだれかが胴上げされてたり。


と、そんな光景に目を奪われつつ、ふと時計を見たら既に0:05。
気づいたら年を越していた。


その事実に、周りのスペイン人他も徐々に気づき始め(?)、「フェリス・アニョー!!*2」と叫びながらあちこちでシャンパンがあきはじめた。
四方八方から降ってくるシャンパンの雨を避けながら、中心部付近では花火が打ちあがり始め(おそらく市販)、左手方向では誰かが赤い発炎筒を炊き始めた。おー、これがテレビの欧州サッカー中継でよく出てくるやつかー、とちょっと感動。同時並行で、さらに胴上げは人間を変えて続く。ブラジル人らしき集団は歌を歌いはじめ、「ブラージルッ!、ブラージルッ!」と叫びながら円陣。中国人らしき集団は広場から少し離れたところで、手持ち花火。


感想としては、取りあえずなんとなく年を越してしまう辺りのゆるさと、何も無い(シャンパンはある)のにここまで上げられる彼らのキャラが、よかった*3


ちなみに、スペインでは年越しでぶどうを食べるという習慣があるそうだが、ここでは食べてる人は見なかった。


その後友人宅で飲む。シェア・メイトが友人を集めてパーティーをやることになっていたようだったが、1時前に行ったときには、ホスト役の2人はまだ準備していた。当然誰もまだ来ていない。2時過ぎた辺りから徐々に人が集まり始める。


3時過ぎくらいにはピソ全体が、クラブと化していた。


重低音が響いている。
友人曰くこういったのが朝の7時位まで続くらしい。



色々な発見で幕を開けた2007年でした。

*1:そんなに味に詳しいわけではないが、スペイン料理のほうが沢山色々なものが混ざっている気がなんとなくする。

*2:新年おめでとう、の意味

*3:翌朝のテレビでは、カタルーニャ広場を清掃するBCNetaという清掃局スタッフの姿が映ってた。広場や駅等、街中はゴミだらけだったが、そうなることを見越して配備されている。ゴミが捨てられる、ゴミがあるから彼らの職は生まれる。