53 ZAMEK 


Centrum Sztuki Wspolczesnej Zamek Ujazdowski
(Center for Contemporary Art)

“Touch my shadows – New media from GOETZ collection”


一人、面白いアーティストを発見。

Rineke Dijkstraという作家の映像作品、“The Buzzclub, Liverpool, UK”(1996), “Mysteryworld, Zaandam, NL”(1997)という二つの作品を見た。

2つが1本の映像に繋がっており、それぞれの構成はほぼ同じ。

真っ白な背景の前に、フランス人っぽい女性や、ポーランド系の風貌のカップル、夜の商売風のイギリス人マダム、一見静かそうなロシア女性、不良になりたいのだけどなりきれないイギリス少年・・・といった具合に多様な人物が登場する。バックではユーロビート系の音楽がひたすら流れており時折DJが叫ぶ。
その音楽にあわせて個人個人が、思い思いに「のる」。

不良になりたいのだけどなりきれないイギリス少年はかなり怪しく体をクネクネうねらせている。
ロシア女性は最初全然動かないのだが、曲の途中から組んでいた手を振りほどき、腰をHGばりに激しく動かし始める。そしてそれを見ていた観客(「わたしたち」の方)の中にいたカップルも腰を動かし始めたり。
そうやって踊ってる人もいれば、ひたすらディープキスをかまし続けるカップルもいる。


確かにクラブに行けばこういうやついるよな、というイメージを、人と音だけを切り抜いて白い背景の前に持ってきた。


2つのうちのどちらかの作品では、ラーメンマンの髪形をしたネオナチ風女性がひたすら踊っている。
スクリーンが2つ並んでいて、互いに関係したり、しなかったりしながら踊っているのだが、この作品では同一人物が2つのスクリーンで別々に踊る。
音楽へののり具合も最高にいいのだけども(動きが激しく面白い)、片方がちょっと疲れて動きが鈍くなっても、もう片方はノリノリだったり、音楽が盛り上がり始めると笑顔になってテンションあがり始めたりする。
その疲れ切った表情から笑顔になるときの様子が面白く、なんとなく共感できる部分もある。




ZAMEKの2階から眺めた景色は最高に美しい。
夕暮れをバックに鳥の一群が次から次へと左から右へ飛び去っていく。


高台に立つ美術館の眼下には、長い階段の先に広場、運河、そして夕焼けに染まった空が続く。